日本の企業でも外国人人材を雇用することが当たり前になりつつあります。
その理由は、少子高齢化による人手不足もありますが、外国人人材を雇うことで新たなビジネス展開のチャンスを見据えていることも挙げられます。
そのおかげで、さまざまな企業で外国人の採用枠は年々広がっています。
では、逆に外国人たちは日本で働くことをどう受けとめているのでしょうか?
目次
外国人人材はなぜ日本で働きたいの?
140万人を突破した日本で働く外国人人材。
大半がアジア圏の出身です。
外国人労働者が持つビザ(在留資格)はいろいろありますが、
- 永住権などを持つ外国人が約1/3
- 留学生などが資格外活動のビザを取得している場合が約23%
- 技能実習で訪れている人が約21%
- ワーキングホリデーなどの特定活動のビザを取得している人が2.4%
- 残りの約2割が専門的・技術的分野の在留資格(いわゆる就業ビザ)を取得している人たち
なかでも就業ビザを取得して働いている人たちは、大学や専門学校を卒業していたり、専門分野で働いた経験があったり、企業から求められるスキルを持った優秀な人材が多いのです。
なぜ、そうした優秀な人材が日本を選んで働きたがるのでしょうか?
日本で働きたい理由はそれぞれ
日本で暮らす外国人にとって、日本にいる理由はそれぞれです。
なかには、日本で働くことが自身の目標と一致いている人もたくさんいるのです。
日本の文化(カルチャー)や暮らしに興味がある
純粋に日本が好き、クラスや文化に興味があって日本に来ている人たちが結構たくさんいます。
外国に住むということは、生活自体、その国の文化に染まり、暮らしを体験するということ。
特にマンガやアニメなどを始めとする日本のポップカルチャーは世界的にも評価の高いものです。
ポップカルチャーを身近に感じたくて日本で暮らす人も多くいます。
また、ポップカルチャーだけが文化ではありません。
例えば、日本の整然とした街並みやルールを守る社会性といった文化が好きという場合もあります。
秩序が優先された暮らしが好きという理由で日本に住んでいる人もいます。
母国よりも高い給与がもらえるから
日本で働く人の多くはアジア圏出身の外国人です。
そのなかには、母国で大学を出たけれど、働く場所があまりない、あるいは同じ仕事をしても日本で働く方が高い給与がもらえるといったケースも少なくありません。
しかも、日本で働くうちにさらに知識やスキルがアップしていき、お金では買えない自分自身の財産も増えていきます。
そのため日本ではなかなか人が集まらない多少不人気な職種でも率先して働く人が多いのです。
もちろんシンプルにお金を稼ぐことが目的という人もいます。
とはいえ、給与水準は変わらない職種もあるので、稼ぐことが目的という人は、今後減っていくかもしれません。
ハイレベルのスキルを身につけてキャリアアップをめざす
モノづくりを担う機械エンジニアや今や欠かせない存在であるインターネットの世界で活躍するITエンジニアは、日本の技術力を代表する人気の職種です。
日本で働くことで技術を身に着けることがキャリアアップにつながるのです。
特にアジア圏への日系企業の進出が加速するいま、母国で日本の技術に出会って日本に憧れて来日する技術者も増えています。
外国人人材の広がる可能性が日本企業のメリットに
外国人人材を雇用することは、日本の企業にとって人手不足の解消以外にも、メリットはたくさんあります。
例えば、若い人材によって社内環境を活性化したり、日本人とは違った視点からの発想が得られるようになったり。
ビジネスにも活かすことができそうなメリットです。
また、企業の未来を考えると、人口減少が著しい日本以外に目を向けることも大切です。
外国人人材は、将来、ビジネスの海外進出を行う際にも活躍が期待できます。
例えば、市場調査や現地の商習慣、文化のレクチャーなどを担ってくれます。
さらにオフショアオフィスのリーダーや責任者として、活躍してもらうことも夢ではありません。
日本のビジネス感覚を理解しながら現地の情報や文化にも精通していることは、海外進出の大きな力となってくれるはずです。
企業の将来にも目を向けることで、外国人人材を雇用するメリットがさらに見えてくるはずです。